平成13年度 保護の実施要領

世帯の認定


ウェルフ


■第1 世帯の認定


(次)第1
 同一の住居に居住し,生計を一にしている者は,原則として,同一世帯員として認定すること。なお,居住を一にしていない場合であっても,同一世帯として認定することが適当であるときは,同様とすること。

(局)第1
1 居住を一にしていないが,同一世帯に属していると判断すべき場合とは,次の場合をいうこと。
(1)出かせぎしている場合
(2)子が義務教育のため他の土地に寄宿している場合
(3)夫婦間又は親の未成熟の子(中学3年以下の子をいう。以下同じ。)に対する関
係(以下「生活保持義務関係」という。)にある者が就労のため他の土地に寄宿している場合
(4)行商又は勤務等の関係上子を知人等にあずけ子の生活費を仕送りしている場合
(5)病気治療のため病院等に入院又は入所(介護老人保健施設への入所に限る。2の(5)(エを除く。)及び(6)並びに第2の1において同じ。)している場合
(6)職業能力開発校,国立光明寮等に入所している場合
(7)その他(1)から(6)までのいずれかと同様の状態にある場合


〔出かせぎ・寄宿〕
問(第1の4)出かせぎ又は寄宿とは,生計を一にする世帯の所在地を離れて, 特定又は不特定期間,他の土地で就労,事業,修学等のため仮の独立生活を営み,目的達成後その世帯に帰ることが予定されている状態をいうものと解してよいか。

答 お見込みのとおりである。


〔転 出〕
問(第1の5)生計を一にする世帯から離れて,他の土地に新たな生計の本拠を構えた場合には,これを転出として取り扱ってよいか。

答 貴見のとおり取り扱って差しつかえない。


2 同一世帯に属していると認定されるものでも,次のいずれかに該当する場合は,世帯分離して差しつかえないこと。
 ただし,これらのうち(3),(5),(6),(7)及び(8)については,特に機械的に取り扱うことなく,世帯の状況及び地域の生活実態を十分考慮したうえ実施すること。また,(6)又は(7)に該当する者と生活保持義務関係にある者が同一世帯内にある場合には,(6)又は(7)に該当する者とともに分離の対象として差しつかえない。

(1)世帯員のうちに,稼働能力があるにもかかわらず収入を得るための努力をしない等保護の要件を欠く者があるが,他の世帯員が真にやむを得ない事情によっ保護を要する状態にある場合

(2)要保護者が自己に対し生活保持義務関係にある者がいない世帯に転入した場合であって,同一世帯として認定することが適当でないとき

(3)保護を要しない者が被保護世帯に当該世帯員の日常生活の世話を目的として転入した場合であって,同一世帯として認定することが適当でないとき(世帯分離を行わないとすれば,その世帯がなお被保護世帯である場合であって,当該転入者がその世帯の世帯員のいずれに対しても生活保持義務関係にない場合に限る。)

(4)次に掲げる場合であって,当該要保護者がいわゆる寝たきり老人,重度の心身障害者等で常時の介護又は監視を要する者であるとき(世帯分離を行わないとすれば,その世帯が要保護世帯となる場合に限る。)
ア 要保護者が自己に対し生活保持義務関係にある者がいない世帯に属している場合
イ ア以外の場合であって,要保護者に対し生活保持義務関係にある者の収入が自己の一般生活費以下の場合

(5)次に掲げる場合であって,その者を出身世帯員と同一世帯として認定することが出身世帯員の自立助長を著しく阻害すると認められるとき
ア 6箇月以上の入院又は入所を要する患者等に対して出身世帯員のいずれもが生活保持義務関係にない場合(世帯分離を行わないとすれば,その世帯が要保護世帯となる場合に限る。)
イ 出身世帯に配偶者が属している精神病患者又は中枢神経系機能の全廃若しくはこれに近い状態にある者であって入院又は入所の期間がすでに1年をこえ,かつ,引き続き長期間にわたり入院又は入所を要する場合(世帯分離を行わないとすれば,その世帯が要保護世帯となる場合に限る。)
ウ 出身世帯に自己に対し生活保持義務関係にある者が属している長期入院患者等であって,入院又は入所期間がすでに3年をこえ,かつ,引き続き長期間にわたり入院又は入所を要する場合(世帯分離を行わないとすれば,その世帯が要保護世帯となる場合に限る。)
エ ア,イ若しくはウに該当することにより世帯分離された者が結核予防法第35条若しくは精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第30条の公費負担を受けて引き続き入院している場合又は引き続きその更生を目的とする施設に入所している場合
オ イ,ウ又は工に該当することにより世帯分離された者が退院若しくは退所後6箇月以内に再入院又は再入所し,長期間にわたり入院又は入所を要する場合
(世帯分離を行わないとすれば,その世帯が要保護世帯となる場合に限る。)

(6)(5)のア,イ,ウ又はオ以外の場合で,6箇月以上入院又は入所を要する患者等の出身世帯員のうち入院患者等に対し生活保持義務関係にない者が収入を得ており,当該入院患者等と同一世帯として認定することがその者の自立助長を著しく阻害すると認められるとき(世帯分離を行わないとすれば,その世帯が要保護世帯となる場合に限る。)

(7) 同一世帯員のいずれかに対し生活保持義務関係にない者が収入を得ている場合であって,結婚,転職等のため1年以内において自立し同一世帯に属さないようになると認められるとき

(8) 護施設,養護老人ホーム,特別養護老人ホーム若しくは介護老人福祉施設,知的障害者援護施設,重度身体障害者更生援護施設,重度身体障害者授産施設又は身体障害者療護施設の入所者と出身世帯員とを同一世帯として認定することが適当でない場合(保護を受けることとなる者とその者に対し生活保持義務関係にある者とが分離されることとなる場合については,世帯分離を行わないとすれば,その世帯が要保護世帯となるときに限る。)


〔世帯分離の見直し〕
問(第1の8)世帯分離が認められる場合については,局長通知第1の2及び5に各々その要件が示されているが,これは,世帯分離により保護継続している場合にも適用されるべきものと思う。したがって,世帯分離要件に該当しなくなった場合は,世帯分離を解除したうえ,改めて同一世帯として認定を行い,保護の要否判定を行うべきものと考えるが,どうか。

答 世帯分離は,世帯単位の原則をつらぬくとかえって法の目的を実現できないと認められる場合に例外的に認められる取扱いであることから,世帯分離要件は,世帯分離を行う時点だけでなく,保護継続中も常に満たされていなければならないものである。
 したがって,一旦世帯分離を行った場合であっても,その後の事情の変更により,世帯分離を解除し,世帯を単位として保護の要否及び程度を決定することとなる。
 具体的には,世帯分離により保護を要しないこととなった世帯の収入,資産の状況や,世帯構成,地域の生活実態との均衡及び世帯分離の効果等を継続的に把握し,世帯分離要件を満たしているかどうかについて少なくとも毎年1回は検討を行う必要がある。
 なお,世帯分離の解除を円滑に行うためにも,世帯分離を行うに当たっては,当該世帯に対し世帯分離の趣旨等を十分に説明しておく必要がある。


〔世帯分離要件が確認できない場合の取り扱い〕
問(第1の9)世帯分離をした場合において,分離により保護を要しないとした者(世帯)については,継続的に収入等を把握し,要件を満たしているかどうかについて少なくとも毎年1回は検討を行うこととされているが,世帯分離にが申告されず,また再三届出を求めたにもかかわらず届出がなされないため要件の確認が行えないような場合は,どのように取り扱えばよいか。

答 世帯分離は,世帯単位の原則のもとで一定の要件を満たしていることを条件に保護の実施機関が適当と判断したときに例外的な取扱いとして認められているものである。したがって,世帯分離中は継続して分離の要件を満たしており,分離が適切であるとの実施機関の判断が前提となっているものであるから,設問のように福祉事務所において分離要件を見直すことが必要であると考え調査したが,世帯分離により保護を要しないとした者の非協力により,この確認ができない場合には当然世帯単位の原則に立ち返り同一世帯と認定すべきものである。
 以上の考え方からすれば,設問のような場合においては,実施機関は,まず,世帯分離を解除し,当該者を同一世帯と認定する変更決定を行うとともに,再度必要な資料等の提出を求め,なお指示に従わない場合は所要の手続を経て保護の停廃止を検討すべきである。


〔出身世帯の生計中心者の交替による世帯分離の見直し〕
問(第1の10)世帯分離により入院若しくは入所中又は局長通知第1の2の(8)に掲げる施設に入所中の者のみを相当長期間保護している場合であって,世帯分離後の出身世帯の生計中心者が代替わりしたこと等により,同一世帯として認定することが適当でないと認められる場合には,別世帯とみなして差しつかえないか。

答 次のいずれにも該当する場合であって,社会通念上同一世帯として認定することが適当でないと認められる場合には,出身世帯と分離して保護している者を別世帯としてみなして差しつかえない。
1.世帯分離後,入院入所期間がおおむね5年以上にわたっており,今後も引き続き長期間に及びこと。
2.世帯分離されている者に対し,出身世帯員のいずれもが生活保持義務関係にないこと。
3.世帯分離後出身世帯の生計中心者が代替わりしていること。
 なお,別世帯とみなした場合にも,従前の保護の実施機関が,なお,保護の実施責任(居住地保護の例による。)を負うこととなる。


3 次の各要件のいずれにも該当する者については,高等学校,盲学校,聾学校若しくは養護学校の高等部専攻科,高等専門学校,専修学校又は各種学校で修学しながら,保護を受けることができるものとして差し支えないこと。
 ただし,専修学校又は各種学校については,高等学校又は高等専門学校での修学に準ずるものと認められるものであって,その者がかつて高等学校,高等専門学校,専修学校又は各種学校を修了したことのない場合であること。

(1)奨学金,修学のために恵与される金銭,その他その者の収入によって教育費がまかなわれること。

(2)修学が世帯の自立助長に効果的であること。


〔高等学校等での修学に準ずるものの取り扱い〕
問(第1の7)局長通知第1の3にいう「高等学校又は高等専門学校での修学にずるもの」とは,どのようなものをいうか。

答 専修学校又は各種学校の修業年限が3年以上であり,かつ,普通教育科目を含む修業時数がおおむね年800時間以上である教育課程に修学する場合であって,修学する者の意欲,能力,健康状態等から判断して,当該被保護世帯の自立助長のうえで高等学校等での修学と同程度の効果が期待されるものをいう。


4 次の各要件のいずれにも該当する者については,夜間大学等で修学しながら,保護を受けることができるものとして差しつかえないこと。
(1)その者の能力,経歴,健康状態,世帯の事情等を総合的に勘案の上,稼働能力を有する場合には十分それを活用していると認められること。
(2)修学が世帯の自立助長に効果的であること。

5 次のいずれかに該当する場合は,世帯分離して差しつかえないこと。
(1)保護開始時において,現に大学で修学している者が,その課程を修了するまでの間であって,その修学が特に世帯の自立助長に効果的であると認められる場合
(2)次の貸与金を受けて大学で修学する場合
ア 日本育英会法による貸与金
イ 国の補助を受けて行われる修学資金貸与事業による貸与金であってアに準ずるもの
ウ 地方公共団体が実施する修学資金貸与事業による貸与金(イに該当するものを除く。)であってアに準ずるもの
(3)生業扶助の対象とならない専修学校又は各種学校で修学する場合であって,その修学が特に世帯の自立助長に効果的であると認められる場合


〔修学資金貸与事業による貸与金〕
問(第1の6)局長通知第1の5の(2)のイに該当するものは,どのようなものか。

答 例えば,財団法人江交通遺児育英会の奨学金,文部省の高等学校等進学奨励費補助を受けて行われる事業による奨学金,生活福祉資金の修学資金のうち特に必要と認められる場合に支給されるもの,母子福祉資金又は寡婦福祉資金の修学資金のうち特別貸付けによるもの等である。


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