■ケースワーカーになるには? | |
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福祉事務所のケースワーカーになるには、公務員試験を突破して地方自治体に採用される必要があります。公務員採用関係のサイトは星の数ほどありますので、ここでは省略します。採用区分としては一般行政系もしくは福祉系の募集枠に応募することが必要です。横浜市などのごく一部の例外を除いて、ほとんどの地方自治体では、生活保護を担当するケースワーカーは一般行政系から採用された職員が配属されています。 わたし自身も一般行政系の職員として採用され、最初の配属先が福祉課生活援護係(生活保護担当)でした。配属に関して、生活保護に関する知識の有無は問われません。配属当初、わたしが生活保護の知識としてあったのは学校の教科書でみた「生活保護のお金が少なくて訴訟を起こした朝日さんという人がいる」といったレベルです。採用された市役所にそんな業務があること自体、知りませんでした。 「セイホ」と言われて、「生命保険がどうしたんだろう?」と思ったことも、今は懐かしい記憶です。 閑話休題。 福祉系で応募する場合には、採用になってからの配属先がどうなるのか、事前によく調べておく必要があります。横浜市では生活保護担当のケースワーカーは福祉系及び心理系から採用された職員が配属となりますが、23区では福祉系で採用された職員は区内の施設の指導員等に配属され、福祉事務所のケースワーカーは一般行政系で採用された職員が配属されます。 また、町村の地方自治体では、一部を除いて福祉事務所は設置されておらず、代わりに県がいくつかの町村をまとめて福祉事務所を設置しています。生活保護のケースワーカーは県の福祉事務所(通称「県福祉」)に配置され、働く職員は当然、県の職員となります。 さて、首尾よく公務員に採用されて、ケースワーカーの仕事ができるのでしょうか? これは、それぞれの地方自治体により人事の取り扱いが異なりますので、必ずとは言えません。また、人事異動がありますので、「一生、生活保護の仕事がしたい」と思っても、まず叶えられることはないでしょう。 ただし、職員に異動希望を聞く地方自治体で生活保護の仕事を希望すれば、かなり高い確率で配属されます。また、そうでない自治体でも上司や同僚にその旨を話しておけば、これも大いに希望があるといえます(表立って聞かなくても、人事では上司等から話を聞くため)。 なぜなら、生活保護は地方自治体内で、一、二、を争う不人気業務だから。地方自治体内で働いていて、「生活保護をやりたい」という職員はほぼ絶無の状態です。ごくまれに希望する職員もいますが、周囲から変わり者扱いされ、また本人もそのことを自覚していることがほとんどです。配属を希望する職員がいないため、何も知らない新入職員が配属され、血を吐くような思いをすることもたびたびです。(ちなみにわたしもその口です。一年目は夏までに7kgのダイエットに成功しました) 理由はいくつも挙げられます。窓口で酔っ払って騒ぎを起こすお客さんもいますし、家庭訪問ではこの世のものとは思われない部屋に足を踏み入れる勇気が必要です。金がらみの仕事なのでクレームは日常茶飯事、一般社会に適用できない方が多数いるため、その対応だけで日が暮れることもあります。訪問に行ったらお亡くなりになっていたという笑えない話もごろごろしていますし、制度の矛盾や体制の不備から無力感に襲われることもたびたびです...おっと、愚痴になったのでこの辺でやめておきましょう。 ただ、いいこともあります。 他の仕事ではありえないほど、いろいろな場面に遭遇できること。そしてその場面に介入し、事態を改善する力を磨けること。何か問題を見極め、その問題に対してどんな解決策があるのか(あるいはないのか)を提案できる力を身につけられること。相手がどんな態度であっても、冷静に話を聞く訓練を積めること。 なにより、複雑多岐に渡る社会福祉制度に精通し、自分の身近な人が困ったときに助けになれることは相談援助業務の醍醐味でもあります。もし、あなたの親しい人の生活に大きな変化が起こり(病気になり、失業し、事故にあい、トラブルに巻き込まれたとき)、そのときにどうしたらいいのか方向を指し示す、それができなくても一緒に考えていける。 それがケースワーカーという仕事です。 どうです?ちょっとは惹かれる部分もありましたか? Yahoo!の公務員試験情報のカテゴリ 福祉/心理系公務員受験の自習室 ■Top |
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