’99年断続雑記
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新米ワーカー日記


久しぶりの更新


久しぶりの更新である。要はそれだけの精神的余裕ができたのでしょう、たぶん。正直言って、ここ一ヶ月、とりわけ7月に入ってからはいろいろなことがありすぎて、少し疲れ気味。それでも、やっと落ち着いてきたような気がする。

今日、久しぶりに更新する気になったのは、別に仕事上で大きな問題があったからじゃない。いや、本当は書くべきことはたくさんあるのだろうけど、正直いって、今大っぴらにしたらまずいことばかりなので、書けない。少なくとも、職場関連のことは。だから、今日は、ふと思い出したこと。ああ、こんな風に思ったことがあったよな、という昔話。

昔、公共図書館の研究をしていたころ、前川恒雄の文章のなかに、彼が保健所の職員の報告を聞きながら感慨にふけるシーンがあった。その職員はのら犬の保護業務に就いていて、今月の保護頭数は何頭で、これは以前に比べると確実に増えているとかなんとかいう報告をしていた。前川は、「行政にはこのような大変な仕事があるのだ。わたしは図書館という職場でいったい何ができるのだろう」などと考えていた。その時は、ごく単純に「そうだよなあ。行政の仕事には犬を追っかけまわすような仕事もあるんだなあ。そういう仕事に就く人は大変だなあ」などと思ったものだった。べつに、前川のそういう考え方に批判的なものは感じなかったし、彼がどれだけ恵まれた立場にいて、なおかつ彼がそれにあまりにも無関心であることにも気づかなかった。

今の仕事、ケースワーカーという仕事に望んでなった訳ではない。もちろん、嫌でやっている仕事ではない。夜なかなか寝付かれなったり、酒量が増えたりということはあるけど、やめたいとは思わない。ただ、自分がやりたい仕事というのとはちょっと違う。そういう微妙な感覚が、前川の文章に描かれたシーンを思い出したとき、なんともいえない感情に変わった。

そう、前川恒雄は図書館界では神様のような人だけど、けっして完璧な人間ではないんだ。そういう、寂しさのようなもの。

福祉の現場にいると、あれほど輝いてみえた図書館という職場の空虚さがみえてくる。それは、やはり、少し哀しい。



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