’99年断続雑記
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新米ワーカー日記


権利と義務


 ”権利”と”義務”は表裏一体のものであると思う。やるべきことをやらずに権利だけを主張しても周囲の冷たい視線を受けるだけなのは、生活保護の現場においても同じである。

 もちろん、それぞれの世帯には、オリジナルな事情があるし、いっしょくたに語れるものではない。でも、”働けるのに働かずに生活保護を受けている”というのは、ちょっとおかしい。ただ一度受給者になると、そこから抜け出すのは難しいというのも事実なのだ。普通に生活していれば、決まった日に決まった金額が貰える。別に働かなくても誰からも文句は言われない。そういう生活を一度始めてしまうと、そこから抜け出すのは容易ではない。

 「働く気はあるのだけど、体の調子が悪くて...」「仕事を探してはいるのだけど、不況で厳しくてなかなか...」理由は探そうと思えばいくらでも見つけられる。そして、それはある意味においては事実なのだ。

 でも、担当するケースワーカーにしてみれば、「はい、そうですね」と黙っている訳にもいかない。生活保護のかけられるお金は、地域住民の税金から支出されている。1ヶ月に10万年受給しているケースがひとつあったとしたら、その地域の何世帯かでその分のお金を肩代わりしていることになる。少なくとも、”それだけの負担をみんなに強いているんだ”ということぐらいは伝えなければならない。これが難しいのだ。

 なんかばたばたしているうちに家庭訪問がはじまってしまってるのだけど、大学でたての世の中のことなんにもしらない子供(ガキ)にこんな仕事勤まるかいな!という世間からの突っ込みが聞こえてくるようである。

[1999.04.26]


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